私の好きな映画

tetsu8
2025/05/08 13:33

橋幸夫の出演映画 その2

引き続き、橋幸夫である。

62年に突入する。61年は大映で8本もの映画に出演した橋だが、この年は本業が忙しくなったせいか、全部で4本に出演。引き続き大映で3本出演している。
 

その1作目が「江梨子であり、17枚目シングルのタイトルでもある。今までは全て大映京都製作であったが、本作は大映東京製作である。当時、各社で流行った青春歌謡路線と言われる作品だ。主演は橋で、ヒロイン江梨子を演じるのは新東宝から移籍してきた三条魔子である。覆面をしているわけでもないのに「シークレットフェイス」の名でデビューした女優だ。本作のヒットにより、三条江梨子に改名するのだが、この時点では魔子である。共演は船越英二、渚まゆみ、岩崎加根子、浦部粂子、村田知栄子など。
 

次は「悲恋の若武者」で、再び大映京都に戻っている。橋の18枚目シングルのタイトルでもある。今までの時代劇と違い本作は西南戦争の頃が舞台となっている。橋の相手役は前作から引き続きの三条江梨子と「江梨子」には出ていなかった姿美千子である。共演はやはり新東宝から移籍の天知茂で、他に中村豊、浜田雄史、伊達三郎など。
 

そして「あした逢う人は、25枚目シングルのタイトルでもある。これも青春歌謡路線の作品で「明日を呼ぶ港」でも共演した本郷功次郎、叶順子、そして三条江梨子らがメインだ。本郷と三条、叶と橋がそれぞれ兄弟で、三条と橋が本郷と叶を結びつけようとする話だ。他に大瀬康一、潮万太郎、中条静夫、早川雄三、広瀬みさ(当時小牧洋子)など。橋の大映出演は本作までで、以降は他社に移ることになる。

 

62年は、あと1本あり、初の東映出演となる「花の折鶴笠」である。橋の29枚目のシングルのタイトルでもある。実は大映との契約はまだ残っていたというが、ここらで将来のため他社の作品に出て見ようということになったらしい。橋の曲の多くの作詞を担当する佐伯孝夫の親族が東映にいるということで、今回の出演となった(企画に佐伯明の名がある)。
大川橋蔵主演の喜劇チックな時代劇で、「両橋」共演と言われた。他の出演者は北条きく子、桜町弘子、品川隆二、多々良純、佐藤慶、千秋実、吉田義夫などである。東映は結局、この1作だけであった。
 

翌63年は日活の「いつでも夢を」に主演。ご存知、橋と吉永小百合のデュエットによる大ヒット曲の映画化である。これは吉永と橋のビクターレコードでのディレクターが同じであるところから実現した企画だった。橋にとっては27枚目のシングルで、前述の「花の折鶴笠」がその2か月後の発売だったが、どうしても「いつでも夢を」の陰に隠れてしまった感があったという。吉永が日活の所属なので、橋も初の日活出演という形になった。共演は浜田光夫、松原智恵子、信欣三、内藤武敏、野呂圭介、子役時代の市川好郎など。本作では挿入歌として橋の「潮来笠」や「おけさ唄えば」なども使用されている。日活への出演も結局、この1本だけのようである。
 

話が前後するが、62年の後期に橋はテレビドラマ「若いやつ」の主演を務めている。どうやら橋が扮する主役の浪人生?が上京して、その慣れない都会での生活を描いている話らしい。共演は左とん平、舟橋元、山東昭子、瀬戸麗子、朝霧鏡子など。

そのドラマ「若いやつ」が、終了から3カ月後に松竹で映画化されたのである。橋のシングルとしては23枚目にあたる。以降、橋は松竹での出演が続くこ-とになった。ドラマの映画化と言っても橋が演じる主人公の名前(浅倉哲夫)が一緒であること以外、関係性はない。出演者も橋以外は違っており、設定も大学卒業を控えているということになっている。ヒロイン役は倍賞千恵子で、以降も彼女との共演が多くなる。他の共演者は山本豊三、小坂一也、瞳麗子、沢村貞子、河津清三郎、志村喬など。
 

続く舞妓はんも橋と倍賞千恵子の主演で、橋は流しであり板前の修業中でもある青年、倍賞はタイトルにある「舞妓はん」だ。橋のシングル31枚目にあたる。二人は愛し合うのだが、結局は結ばれないという悲恋ものである。共演者は志村喬、千之赫子、五月女マリ、万代峯子、浪花千栄子、細川俊夫など。
 

月夜の渡り鳥」も橋・倍賞コンビが主演の時代劇である。長谷川伸の「瞼の母」が原作になっており、橋は番場の忠太郎を演じる。共演は高峰三枝子、香山美子、名和宏、志村喬などである。

コメントする