【最新おしゃれ映画】『午前4時にパリの夜は明ける』が寄り添う、人それぞれの人生
こんにちは。
「映画に見つける、おしゃれとメッセージ〜映えと深読みと、ひとつまみの恐怖。〜』
をテーマに、"おしゃれ映画"コラムを担当しているSéa(せあ)です。
今回は、4月21日(金)公開のおしゃれな最新映画『午前4時にパリの夜は明ける』を一足先に鑑賞させていただけたので、今作の魅力をネタバレなしで紹介します!
『午前4時にパリの夜は明ける』って、どんな映画?
舞台は1980年代のフランス。主人公は夫と別れ、二児のシングルマザーになって間もないエリザベート(シャルロット・ゲンズブール)。心が繊細で機器にも強くなく、なかなか職が手につかない彼女が始めたのは、深夜のラジオ番組『夜の乗客(※)』のスタッフ。
ラジオ放送のゲスト参加がきっかけで出会った家出少女タルラ(ノエ・アヴィタ)や、それぞれの形で父の不在に向き合っている2人の子供たち、そして新たに出会う男性達など、パリで夜型生活を送るようになったエリザベートと様々な人々との交流を描く物語です。
監督は『サマーフィーリング』『アマンダと僕』で大切な人を亡くした人々のその後に寄り添ったミカエル・アース。今回は誰かの死が描かれるわけではありませんが、人との別れで環境が変わった人々の境遇を描く点は共通しているといえます。
※『夜の乗客』=『Les passagers de la nuit』は、この映画のオリジナルタイトルでもあります。
シャルロット・ゲンズブールの演技にしっとり
主人公のエリザベートを演じたのは、フランスの国民的女優であるシャルロット・ゲンズブール。宣伝の通り、今作の演技はシャルロットのキャリア史上最高とも評価されています。
繊細な心に傷を負いながらも、何とか子供を養って生きてかなければならない。喪失感・無力感と責任感の間で、孤独に奮闘する主人公エリザベートの姿には胸を打たれるし、そうして頑張る人の姿をリアルに感じさせてくれるシャルロットの演技が、観る人それぞれに勇気もくれるはず。
家出少女タルラの圧倒的な存在感
『ファイブ・デビルズ』のちょっとした役でも出演している期待の新人ノエ・アヴィタが演じたのは、主人公エリザベートが出会い特別な絆を紡いでいく家出少女タルラ。
人形のような顔立ちと、おしゃれな髪型で存在感がすごいし、声が最高に可愛い…!彼女の強くて温かい存在感が、洗練されていてしかも温かい人間味もある、この映画の空気を完成させたと思います。名キャラクターを生んだノエ・アヴィタの今後にも期待したいですね!
独りで頑張る人がたくさんなら、みんなもう独りじゃない。
"夜勤明け"を経験した事があると、明け方独特のあの"エモ"な雰囲気に共感できるのではないでしょうか。頑張った自分を1人ねぎらうあの時間、周りに同じような人を見ると"あの人も夜勤明けかな" なんて思えて、たとえそれが赤の他人でも、"仲間"に見えたりする、あの感覚。
この映画自体が、そんな存在だと思います。人それぞれ、違う人生を違う能力・違う境遇・違うキャパシティで"独り"生きているけど、みんな違ってみんな独りなら、それはもはや、もう誰も独りじゃない。そんな風に思えるパリの明け方を、この映画はくれるのです。
心からオススメしたい1本です!
ということで今回は、おしゃれな最新映画『午前4時にパリの夜は明ける』を紹介しました!
今作は4月21日から日本公開となりますので、皆様ぜひ映画館でしっとり浸ってください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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