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私の好きな映画

LOQ
2024/01/12 17:22

ノーラ・エフロンについて

ノーラ・エフロン  ( 1941~2012)

 

『 恋人たちの予感 』の脚本、『 めぐり逢えたら 』『 ユー・ガット・メール 』など主演のメグ・ライアンとのコラボなどでロマンティック・コラボの名手と知られます。
 

ただ、キャリアの初期はシリアスな作品で、むしろ硬派でカタい人かなという印象でした。

 

ニューヨーク生まれだが両親ともに脚本家( 『 回転木馬 』『 デスク・セット 』など )だったので少女時代はビバリーヒルズで育つ。
ちなみにノーラという名前はイプセンの「 人形の家 」のヒロインにちなんでだそうそうで、ヒラリー・クリントンも出た全米屈指の名門女子大ウエルズリー大学を卒業。 

 

在学中にケネディ政権の報道官ピエール・サリンジャーの下でインターンとしてホワイトハウスで働いていたこともある。 大学卒業後は新聞記者に。
生涯3回結婚しているが、2人目の夫はワシントンポスト紙の記者でウォーターゲート事件報道で知られるカール・バーンスタイン。

『 大統領の陰謀 』が公開された1976年4月に結婚、夫の役をダスティン・ホフマンが演じるのを観ていた新婚生活、2人の子供を授かったが1980年離婚。

初めて映画の脚本を書いた作品(他の作家と共同)が『 シルクウッド 』。(1983)

核燃料工場を内部告発した技術者で謎の死を遂げたカレン・シルクウッドの実話に基づく社会派の作品。主演メリル・ストリープ。 監督はマイク・ニコルズ
このデビュー作でアカデミー脚本賞にノミネート。

カール・バーンスタインとの離婚までのいきさつをモチーフにした原作小説と脚本を書いたのが『 心みだれて 』(1986)

主演と監督はこれもメリル・ストリープマイク・ニコルズ。 夫役はジャック・ニコルソン

この時期の彼女への印象は、妻の側から離婚の修羅場を暴露されて男はたまらんし、ユダヤ系ニューヨーカーでリベラルなインテリ女性だが、ちょっと敬遠したいタイプだなと思っていたのが正直なところ。
だがその後『 恋人たちの予感 』『 めぐり逢えたら 』『 ユー・ガット・メール 』などで印象は変わり、好きな映画作家の一人になりました。

 監督として遺作となった『 ジュリー&ジュリア 』も好きな作品。
 著名な料理研究家ジュリア・チャイルドと彼女の料理本の全レシピを1年で作っていく挑戦をブログに書いていったジュリー・パウエル、2人の女性の話。
 ジュリー役にエイミー・アダムス。 ジュリア役がメリル・ストリープ

 

 

外交官である夫に随行した平凡な妻だったジュリア・チャイルドが料理に目覚めた瞬間のセリフ。

 「フランス人はフランス料理を食べるのね!毎日よ。私信じられない
 ちょっと聞くとフランス人がフランス料理を毎日食べるのはあたり前の話で、何を言ってるのという感じだが・・・・。
 そしてアメリカの家庭でフランス料理が作られるのは、現在ではめずらしいことではない。
 でもそれはジュリア・チャイルドが料理本でレシピを紹介し、テレビの料理番組で作って見せて広めたから。  ローマは一日してならず。

 

 主婦が毎日料理を作るのはあたりまえとみる向きには、ジュリー・パウエルの挑戦もたいしたことじゃないかもしれない。
 でも、誰もがあたりまえ、当然のことと思っていることはそんな簡単じゃない、大変なことなんだと、ジュリーとジュリアの半生をユーモアを交えながら描いて見せ、ノーラ・エフロンの集大成と言える作品となっていると思います。

 生前書いたエッセイに「 首のたるみが気になるの 」 ( 集英社文庫 )があります。

ニューヨークの高級住宅に住むセレブで、高学歴インテリのキャリア女性のつぶやき。

イヤミな取りようによっては贅沢な悩みに読めるかもしれないが、翻訳の阿川佐和子ともどもその人柄が文章に感じられる。

 たとえば、「 ケネディのホワイトハウスで働いた若い娘の中で大統領が手を出さなかったのは私だけらしい 」と皮肉と自虐で笑わせ、歳を重ねてくると首のたるみはごまかしが効かないし、ハンドバックは大嫌いだとぶちまける。
 都会暮らしの中で、人生の一部、そこにあるのが当たり前だった名店の突然の閉店、あの味が忘れられないという嘆き。
 彼女自身料理好きでおいしいものを求めての好奇心、執着は向田邦子に通じるものがあります。

「すべてはネタなのよ」という母の教え。
バナナの皮に滑って転んだら人に笑われる。 でもそれを人に話したら笑わせられる。
ジョークのネタにされるのではなく、ジョークで話の主役になれる。
脚本家一族らしい人生哲学。
彼女の作品が好きな方には一読をおススメしたい一冊です。

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2 件の返信 (新着順)
LOQ
2024/03/25 21:59

stellaさん、コメントありがとうございます。
メグ・ライアン、『 恋人たちの予感 』とか可愛くて好きでした。
メリル・ストリープ適役でした。 
子どもができない哀しみ、夫が赤狩りに合うことなどつらいエピソードとともに、明るく芯の強さも見せて、さすがでした。

NY滞在うらやましいです。 行ったことがなくあこがれの街です。

Stella
2024/03/25 21:15

「ジュリー&ジュリア」は最近見ました。料理研究家ジュリア・チャイルドはかなり大柄で、メリルストリープに適役でしたね。★アメリカ映画は、NYに短期滞在した前後の21C初頭にみてましたが、メグライアンの作品は興味ありました。なつかしいですね。