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私の好きな映画

matchypotter
2023/04/21 16:28

「戦争の映画」を時系列で並べてみた件 ~Vol.7(完)~

ここまでで23作品。いよいよ第二次世界大戦でドイツが降伏し、太平洋戦争も終盤。
日本ではいよいよ“原爆”“一億総玉砕”“特攻”など極まった単語が出始めていく・・・。
連載最後はそんな終戦に向かう作品3作品をご紹介。

 

※実は3年ぐらい前の夏に急に思い立ってこの手の映画を片っ端から観たモノを抜粋して改めてご紹介してます。
 これらも、他にもFilmarksでたくさんレビューを書いているのでよろしければどうぞ!
 https://filmarks.com/users/matchypotter


24.『この世界の片隅に』(2016)

予告編はこちら

1945年7月~8月、広島、呉
日本軍の海軍拠点であるへの空襲広島の原爆投下のまさにその時に、その場所で強く生きる女の子の物語。

主役の女の子の声優がのん。本連載“戦争”アニメーション映画、2作品目。
こののんびりとしてどこか間延びして抜けてる感じの女の子が、何かと不自由な戦時下でささやかに生きている日常。

これまで紹介した作品とは違う、この“日常”感。そして、その“日常”を一瞬で覆す空襲原爆の現実を浮き彫りにする。


25.『永遠の0』(2013)

予告編はこちら

~1945年8月、太平洋上のどこか
零戦パイロットとして生きた宮部久蔵特攻で戦死するまでを描く。

原作は百田尚樹のデビュー作。これを邦画におけるCGアクション映画の巨匠山崎貴監督が映画化。
主演は岡田准一

三浦春馬が現代に生きる血縁として、宮部の当時の足跡を辿るために彼を知る人物に面会しながら宮部の戦死の真相に迫っていく構造。
最初は誰に会っても「宮部は腕は良いが、臆病者だ、腰抜けだ」と罵られるところから始まり、徐々に「なぜそんな臆病者が特攻を選び、戦死したか」が徐々に明らかになっていく話の展開がとてもドラマチック


26.『日本のいちばん長い日』(2015)

予告編はこちら

1945年8月14日~15日、日本、東京
鈴木内閣、ポツダム宣言を受諾。本土開戦を強行する陸軍のクーデターを抑えて玉音放送までの激動の終戦日までを描く。

本連載で紹介2度目の主演、役所広司
彼の佇まいと優しさと厳しさがこの激動の時代にとてもしっかりした輪郭となり、映えるのだと思う。

この映画を観ると、日本国内でも色々な考えがあることに気付く。
いわゆる“プロパガンダ”的な意味合いでイケイケ押せ押せ、戦意高揚、お国のために!のような表現をよく見かけてきたが、尊い犠牲を慮るそうではない部分も日本にもあったのだと思える。


26作品、、、、終戦。
とにかく“最近観た「戦争の映画」だけを”ただただ取り挙げて時系列に並べてみた。

第二次世界大戦の勃発から太平洋戦争の終結までおおよそ6年。6年間ずっと世界中で戦争が起きていたという事実。計り知れない。
 

日本に至っては真珠湾から太平洋を股にかけ、沖縄という国土も脅かす。
それだけではなく、杉原千畝のように海の向こうで日本人以外に対して対日本ではない戦火にも巻き込まれる。

 

当時を経験した人の実体験には遠く及ばないとしても、こうして「戦争の映画」を観て繋げてみることで、線で戦争を知ることができた。
少なくとも“戦争”とは事実として起きたことであり、いつだってその場にいる兵や市民に犠牲が出ていることであることは明白。
そこに遺された逸話、人間ドラマや人の思い、尊厳、命の尊さが少しずつ少しずつ紡がれ、覗くことができる、それが「戦争の映画」

 

<完>

(c)大島渚プロダクション

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