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2025/03/18 23:25

4月10日生まれの男たち その4 さだまさし

4月10日生まれの男たち その4 「 現在進行形のマルチクリエーター 」

 

その4 さだまさし ( 1952 ~  )

淀川長治、永六輔、和田誠の3氏は亡くなられ、唯一ご健在で現役。  ( 以下、敬称略 )

シンガーソングライターとして、いまさら述べるまでもないレジェンド

 

                さだまさしのCD

【さだまさし】 ベスト | フォーク/ニューミュージック | 宅配CDレンタルのTSUTAYA DISCAS

 

だが音楽家だけでなく、4氏に共通しているとおりマルチな才能を発揮している。

 

まずラジオ・テレビでの放送パーソナリティであり、熱く語る語り部.。

ただ、グレープでバイオリンを弾きながら「 精霊流し 」「 無縁坂 」を歌ったデビュー当時は曲調も暗く、外見もかなりやせていて、神経質で軟弱なネクラと見られ揶揄されていた。

だが本人のパーソナリティが知られるにつれ、その偏見は崩されていく。

学生時代から落語研究会に所属(  高座名は飛行亭墜落 )し、笑福亭鶴瓶立川談春ら噺家とも親交が深い。

コンサートでの軽妙なトークだけの「 さだばなし 」というCDも出している話芸の達人でもある。

 

歌ってはいけないCD ~さだばなし

                   「 さだばなし 」のCD

 

映像作品への楽曲提供では

日本に住んでいて「 北の国から 」のテーマを知らない人はいないでしょう。

 

北の国から / 田中邦衛

 

映画『 二百三高地 』の主題歌「 防人の詩 」

フォーク歌手は戦後の反戦平和のイメージが強かったので、当時右翼だと叩かれたが、

映画の音楽監督山本直純とは親交があり、「戦争の勝った負けた以外の人間の小さな営みをちゃんと浮き彫りにしていきたい 」と言われ、引き受けた。

(「 うらさだ 」小学館 より引用 )

 

 

 

自身が主演した映画『 翔べイカロスの翼 』の主題歌「 道化師のソネット 」

( 最近知りましたが、歌心りえのカバーがすばらしい ! )

 

SONGS / 歌心りえ

 

エッセイなど数多くの著作が出版されていて、自身の小説が映画化された作品は 

 

『 解夏 ( げげ )』(2004年 ) 監督 磯村一路

解夏 / 大沢たかお

  ベーチェット病により徐々に視力を失っていく青年( 大沢たかお  )の葛藤と彼と寄り添う周囲の人間たちを丁寧に描いた作品。

解夏とは仏教用語で修行の終わりを意味しますが、主人公の青年にとってはどういうことなのか、松村達雄演じる老人が語りかけます。

出演は他に石田ゆり子富司純子渡辺えり林隆三柄本明 ら

 

『 眉山 ( びざん )』(2007年 ) 監督 犬童一心  

 

               

眉山-びざん- / 松嶋菜々子

 

            

 東京で働く娘が、徳島で一人暮らしをする母が入院した知らせを受けて帰郷、末期がんと知らされる。 娘は気丈に振る舞う母が検体を望んでいること、死んだと聞かされていた父親が生きていることを知り、残された日の中で娘は母と自分のこれまでの人生と向き合っていく。  クライマックスの阿波踊りのシーンが圧巻。

出演は 松嶋菜々子 宮本信子( 夫・伊丹十三の没後初めての10年ぶりの映画出演)

大沢たかお 夏八木勲 他

 

 両作品に出演している大沢たかおは、さだまさしに私淑してる、と言っていいでしょう。

楽曲「 風に立つライオン 」に感銘を受け、さだまさしを説得し原作小説を書かせ(2013年 )、それをもとに映画化を企画し自ら主演。

『 風に立つライオン 』(2015年 )  監督 三池崇史

風に立つライオン / 大沢たかお

ケニアに派遣され、隣国スーダンの内戦で負傷した少年兵などの治療を行う医師・柴田紘一郎( 2025年2月逝去 R.I.P )のエピソードがモチーフ.

共演は 石原さとみ 萩原聖人 真木よう子 石橋蓮司 他

 

 

他に『 精霊流し 』『 アントキノイノチ 』『 サクラサク 』などが映画化 

 

 

 

 

 島原鉄道の元経営者で、島原の子守歌の作者であり九州説を唱えて邪馬台国論争を巻き起こした宮崎康平盲目の夫を支えた妻・宮崎和子。 

夫妻を描いた映画『 まぼろしの邪馬台国 』(2008年 )の原作はさだまさしではない

親の古くからの友人で、さだ本人も夫妻と親交があって、「 関白宣言 」のモデル説がある。

 

       

まぼろしの邪馬台国 / 竹中直人

監督 堤幸彦 脚本 大石静

出演 吉永小百合 竹中直人 窪塚洋介 余貴美子 石橋蓮司 江守徹 他

 

さだまさしを語る時欠かせないエピソードは、先日「 生でさだまさし 」で伊東四朗に尋ねられていたが、過去に巨額の負債を抱えていたこと。

戦前祖父・父母が住んでいた中国に流れる長江を河口から源流にさかのぼるドキュメンタリー映画『 長江 』を制作した。

 

だが1980年当時中国は今よりはるかに閉鎖的で制限も多く撮影期間1年半。 

撮影スタッフの人件費、機材のレンタル、撮影した映画用の35ミリフィルムは230時間時間以上、そのフィルム代、現像・保管などなど莫大な経費がかかってしまった。

監修に市川崑があたり、1981年11月全国で公開され、5億円の興行収入を挙げるが大赤字で、28歳で28億円の負債を抱えた。

 

以降年間100回以上のコンサートを開催( 現在通算4600回以上 )、テレビ。ラジオ、CMに出演、多くの本を出版、飲食店を共同出資で経営なく馬車馬のように働いた

その間ただ働いただけでなく、無人島( 詩島と命名 )を買い、チャリティー・コンサートや寄付をしつつ、利子を含めて35億となった借金は30年かけて完済した。

 

『 長江 』のネガフィルムはそのまま残ってるそうで、中国でも最近注目されてるそうですし、長時間の連続番組として再編集し全世界にネット配信できる時代になった。

でもその時はデジタルリマスターとか費用が掛かりそうで、赤字の再来になりそう (笑)

どこかの映像制作会社やクラウドファンディングが手を挙げないかな。

 

奥さんも働きすぎと言い、妹の佐田玲子も「 お兄ちゃんは回遊魚(  マグロやサメなど、泳ぎをやめるとおぼれ死んでしまう という俗説がある ) 」と言う。

 

あらためて、現在進行形で活動しているマルチクリエーター。 

日本社会が誇っていい文化人ですね。

それが さだまさしという人です。 

                                             

                                                         さだまさし関連のDVD

 

                                         

 

シリーズ 4月10日生まれの男たち

 

その1  永六輔    はこちら

その2 淀川長治  はこちら

その3  和田誠     はこちら 

 

 

                                       

 

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