2024年に観た映画(26) 「小早川家の秋」
2024年に観た映画(26) 「小早川家の秋」「午前十時の映画祭14」で取り上げてくれた小津作品2本。7/14まで上映中。1961年に公開された、小津監督の最後から2番目の作品(ちなみに先日観た「宗方姉妹」は「むなかた」ではなく「むねかた」でしたが、本作も「こばやかわ」ではなく「こはやがわ」)。今でいう“事業継続”が難しくなった造り酒屋を営む一
2024年に観た映画(24) 「宗方姉妹」
2024年に観た映画(24) 「宗方姉妹」昔は銀座並木座(1998/9/22閉館)が毎年お正月に小津さんの作品を上映してくれていて、足を運んだものでした。昨年の生誕120周年のイベントも期待した上映イベントがなく、「午前十時の映画祭14」で2本の小津作品を取り上げてくれたのはとても嬉しいです(本作は7/14まで上映中)。「晩春」と「麦秋」の
懐かしき1950年代の映画「日本編」
懐かしき1950年代の映画「日本編」1960年代、1970年代と、懐かしの名作を「アメリカ編」「ヨーロッパ編」「日本編」に分けて振り返っている。前回の1950年代「ヨーロッパ編」に続き、今回は1950年代の日本映画を懐古したい。当時の作品をリアルタイムで観ていたわけではないが、深い感動に浸れる名画が多い。 雨月物語(1953年・大映
【ネタバレあり】『PERFECT DAYS 』没入できる確かな理由
【ネタバレあり】『PERFECT DAYS 』没入できる確かな理由邦画をほとんど観ていない私が気になっていたこの作品は改めて観て良かった。ものすごく繊細で緻密で丁寧な本作について、書き綴りたい。(c)2023 MASTER MIND Ltd. 【目次】 1. 知っておいて損はない情報とあらすじ 2. 言葉を減らすこと ※ここからネタバレ 3. 時代の対比
12月のおススメ作品!PERFECT DAYS(パーフェクト・デイズ)
12月のおススメ作品!PERFECT DAYS(パーフェクト・デイズ)PERFECT DAYS (2023年12月22日公開) 映画館の予告編でこの作品を知った。「こんなふうに生きていけたなら」のコピーに心奪われ、観たくなる症候群に駆られた。(c)2023 MASTER MIND Ltd. ストーリー 東京・渋谷でトイレ清掃員として働く平山(役所広司)は、静かに淡
おずおずと小津を語る その4
おずおずと小津を語る その4小津安二郎は1903年東京生まれ、10歳で父親の故郷三重県松阪に転居。大学受験に失敗した後、小学校の代用教員をしていた。同市には小津安二郎松阪記念館があります。( ちなみに市川崑は近くの宇治山田出身 )19歳叔父のコネで松竹蒲田撮影所に撮影部助手として入社。映画青年でしたが、もっぱら外国映画ファンで
おずおずと小津を語る その3
おずおずと小津を語る その3日本映画が最初に国際的に知られるようになったのは1950年黒澤明『 羅生門 』。溝口健二、成瀬巳喜男、市川崑、大島渚あるいはゴジラなどがそれに続きました。 生前小津が海外で評価されたのは『 東京物語 』が1958年ロンドン映画蔡で受けたサザーランド賞のみ。 独創的で創造性に富んだ監督に贈られるという
おずおずと小津を語る その2
おずおずと小津を語る その2 小津安二郎は『 晩春 』以降、脚本家・野田高梧とのコンビでいわゆる小津調と呼ばれるスタイルを確立。芸術性が高いが、決して理屈っぽい難解な映画ではない。 ただリテラシーを考えないと、ドラマの見どころがつかみにくいのはたしかでしょう。 黒澤明と小津安二郎と作風が対照的なのでドラマの描き方を対比してみる
おずおずと小津を語る その1
おずおずと小津を語る その12023年12月12日は小津安二郎の生誕120年没後60年にあたります。 誕生日に亡くなったというのも珍しいが( ちなみにトリビアを書くとイングリッドバーグマンもそう )、12月12日というゾロ目、100年前映画界に入った大正12年の12月12日に20歳を迎え、60歳の還暦に亡くなるという数字の並
【君は小津安二郎で泣けるか?】「東京物語」20年後の号泣『この映画は過激だ』
【君は小津安二郎で泣けるか?】「東京物語」20年後の号泣『この映画は過激だ』「熱弁、お笑い担当」コラムニストUUUM所属コスプレものまねYouTuber「ダメ沢直樹」です。 このサイトに来る方であれば名前は聞いたことがあるはず「小津安二郎(おづ やすじろう)」監督(是枝裕和監督が話題になると家族愛などのテーマからよく引き合いに出される) 黒澤明監督と並び称される「世界の小津