法廷映画の傑作に迫る その⑤
法廷映画の傑作に迫る その⑤裁きは終わりぬ(1950年・フランス、モノクロ、102分) この映画は「人が人を裁くことの困難さ」に主眼をおいた作品です。「裁判員制度」と「陪審員制度」の相違点というむずかしい問題はあるものの、本作では7人の陪審員が登場、それぞれの人生観や宗教観までも口にしながら議論します。そして、各々の人間模様が
懐かしき1970年代の映画「日本編」
懐かしき1970年代の映画「日本編」往年の名画を再見すると、当時の自分のおかれた状況や、周囲の様々な環境をも想起させてくれる。「映画」とは不思議な魔力をもったアイテムだと思う。前々回の「アメリカ編」、前回の「ヨーロッパ編」に続き、今回は「1970年代」の日本映画の名作を振り返り、その余韻に浸りたい。 「砂の器」(1974年・松竹) 監
懐かしき1970年代の映画「ヨーロッパ編」
懐かしき1970年代の映画「ヨーロッパ編」往年の名画を再見すると、当時の自分のおかれた状況や、周囲の様々な環境をも想起させてくれる。「映画」とは不思議な魔力をもったアイテムだと思う。前回の「アメリカ編」に続き、今回は「1970年代」のヨーロッパ映画の名作を振り返り、その余韻に浸りたい。 「ひまわり」(1970年、イタリア・フランス・ソ連)
懐かしき1970年代の映画「アメリカ編」
懐かしき1970年代の映画「アメリカ編」往年の名画を再見すると、当時の自分のおかれた状況や、周囲の様々な環境をも想起させてくれる。「映画」とは不思議な魔力をもったアイテムだと思う。前回の「1960年代」に続き、今回は「1970年代」のアメリカ映画の名作を振り返り、その余韻に浸りたい。 「ゴッドファーザー」(1972年) 監督:フランシス
法廷映画の傑作に迫る その④
法廷映画の傑作に迫る その④評決(1982年・アメリカ、カラー、129分) 監督:シドニー・ルメット レンタルはこちらアメリカの社会派監督の雄、シドニー・ルメットが手掛けた名作に「十二人の怒れる男」(57年)があった。 ‘法廷映画の傑作に迫る その①’ で取り上げた作品である。そして25年後、再び彼が法廷映画に挑んだのが、こ
法廷映画の傑作に迫る その③
法廷映画の傑作に迫る その③アラバマ物語(1962年・米国、モノクロ、129分)監督:ロバート・マリガン レンタルはこちら「十二人の怒れる男」、「情婦」に続き、今回は「アラバマ物語」のご紹介です。 この映画は、人種的偏見の強いアメリカ南部の田舎町を舞台に、白人娘へのレイプ罪に問われた黒人青年を弁護する正義派弁護士の姿を描いて
法廷映画の傑作に迫る その②
法廷映画の傑作に迫る その②...「ご覧になっていない方のために、決して結末を口外しないでください」... これは本編エンド・クレジットに登場するナレーションである。 「情婦」(1957年・米国、モノクロ、116分) 監督:ビリー・ワイルダー レンタルはこちらアガサ・クリスティが、自作の短編小説を自ら脚色した戯曲「
法廷映画の傑作に迫る その①
法廷映画の傑作に迫る その①法廷映画の古典「十二人の怒れる男」は、映画史上に大きく名を残す不朽の名作である。レンタルはこちら1957年・アメリカ映画、監督:シドニー・ルメット(映画界デビュー作) 殺人事件の裁判で、希薄な証拠に疑問をもった一人の陪審員が異議を唱えたことにより、1対11の評決が無罪へと逆転していく過程を描いた法廷
懐かしき1960年代の映画「日本編」
懐かしき1960年代の映画「日本編」1960年代のアメリカ映画には、アメリカン・ニューシネマといった新勢力があった。同じくフランス映画には、ヌーヴェル・バーグという新たなムーヴメントが起っていた。果たして日本映画はどうだったのか。保守的な映画の伝統を打ち破る...その点では、大島渚監督や篠田正浩監督、或いは今村昌平監督といった当時の若
懐かしき1960年代の映画「ヨーロッパ編」
懐かしき1960年代の映画「ヨーロッパ編」懐かしき1960年代の映画「アメリカ編」に続き、今回は「ヨーロッパ編」です。 60年代当時、フランスでは衝撃的な作品が次々に登場した。 その象徴的な映画が、ジャン・リュック・ゴダールの「勝手にしやがれ」であり、フランソワ・トリュフォーの「突然炎のごとく」であろう。 伝統的な映画手法や撮影技